造作家具。
「あっ、お疲れさまです」
「軒さーん、西村さんです」
「よっさん(大工・西村さん)、お疲れさま」
「うん」
「順調?」
「そうやね。これ、写真、どのパソコンから保存したらいいですか?」
「あっ、どこでも・・・はいっ、そこでいいです」
「はーい」
「あっ、奥側のボードまだなんですね?」
「これっ?この写真?」
「はい、写真やとわかりにくいけど、真ん中にサッシが納まって、
その上下の段に見えてるの、反射してる銀色の、これサーモプライ(気密面材)ですよね?」
「うん、でももう、このあと石膏ボードまで張ったよ」
「早いですね」
「そう?」
「サッシ、突き出し窓のところ、アンピ(アングルピース)の外々、棚のたて枠の内々で納まりました?」
「うん、いけてたよ」
「あの建具、もちろん断熱サッシなんですけど、
小さい窓やから、サッシ枠が細くてアンピの位置がちょっと違うでしょ?」
「うん、そうやね」
「よっさん(大工・西村さん)?」
「はい、なんですか?軒さん」
「あとは?材料?発注しとくものある?」
「ううん、ないけどね・・・ないですけど・・・
あれっ、軒さん?このパースって言うん?これ可動棚のとこに扉、入ってないけど、
ここ建具、引き違い付きますよね?図面通りでいいですよね?」
「うん、付く付く、付きます。」
「建具はちょっと横に置いてるんです」
「・・・」
「・・・」
「傷とか付いたら、あれでしょ?」
「・・・」
「・・・」
「あと、木場くん?一枚目の写真やねんけど、一番上の、戻って・・・
これ、ちょっと雰囲気違うと思わへん?」
「・・・!
・・・いやっ、このパース、これだけじゃないんですけど、これ写真と角度あわせるの、これって結構・・・」
「ううん、そんなんじゃない」
「えっ、どういうことですか?」
「あれないん?」
「えっ、なんですか?」
「データ」
「・・・?」
「とんかちの三次元データ」
「・・・」