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無垢の木の勾配天井が好きなんです!

池田住宅の家の代名詞である『無垢の木の勾配天井』
見学会でよく、『池田住宅さんの家はみんな天井が木で雰囲気がいいですね』と言われます。
(左の写真の斜めになっている木の天井のことです。勾配天井と言います。)

私たちの施工例を見ていただくと、ほとんどの家が勾配天井です。
今や池田住宅の家といえばこれ、という代名詞になっています。

しかし、工務店の側からすると勾配天井は大変です。
通常の平らな天井よりも手間が掛かるし、コストもアップします。
私たちも数年前までは平らな天井の家しかやっていませんでした。やりたいなぁ、と思いながらできなかったのです・・・

通常の2階天井で断熱する方法とは違い、外断熱工法では屋根と天井の間の空間『小屋裏(こやうら)』は断熱された室内と同じ状況になります。

つまり、断熱された空間なのに、平らな天井を張ってしまうことで無駄な空間になってしまっていました。これはあまりにもったいない。
また、勾配天井の家はいかにも木の家という雰囲気を出してくれますし、家全体がすごく開放的で広く感じるというメリットもあります。

何とかして全ての家を勾配天井の家にしてしまいたい!!!と私たちは真剣に考えていました。

勾配天井、なんでそんなに手間が掛かるのか?


後張りの勾配天井を大工さんが施工しているところ。一枚一枚木の羽目板を張って行く作業は大変・・・
通常の勾配天井は屋根を仕上げてしまってから、室内から無垢材や石膏ボードなどで天井を張っていく方法が一般的です。

上の方に行くほど天井は高くなりますから、勾配天井を張るときには室内に足場が必要になります。

ただでさえ難しい無垢の羽目板張りを、上を向きながら行います。しかも1枚ずつ・・・本当に気の遠くなるような作業です。

材料代(無垢の羽目板)は知れているのですが、張るための手間、大工さんの人件費は確実に掛かってきます。
↑上の写真が後貼りの勾配天井です。
一枚一枚木の羽目板を張って行く作業は大変・・・

そこで、リビングや吹き抜けの上だけを後張りの勾配天井、その他の部屋は平らな天井という家が一般的に多いんですね。


外断熱工法の利点を生かして、構造材と化粧材を兼用させたら?


何とか家全体を無垢材を使った勾配天井にできないものか・・・
しかしコストを抑えるためには、手間人件費を減らすしか方法がない・・・

従来は通常の屋根下地を作った下に、もう一度無垢の羽目板を張って仕上げます。
どうしても2つの工程が必要だったわけです。

ならば、屋根の下地材を化粧材にしてやれば、下から天井を仕上げる工程が一つ減るのでは???と考えました。
池田、現場監督、大工さん、職人さんを巻き込んでのミーティング。こういった前向きな職人さんに私たちは助けて頂いています。こんなアイデア、考えるだけなら簡単です。問題は実際に施工ができるのか?現場での問題はないのか?構造上大丈夫なのか???
嫌がる大工さん全員に事務所に集まってもらい、早速ミーティング開始。




現場でのミーティング、実際に施工しながらの検証を、設計、現場監督、大工さんで頭を悩ませながら進めていきました。


↑実際に図面を作り、施工し、検証した上でまた図面を描く、という作業を繰り返しました。一つ問題をクリアすると、新たにもう一つ問題が出てきます。それをひとつづつクリアしていく作業となりました。


その結果生まれたのが現在、池田住宅が採用している『仕上材・構造材兼用勾配天井工法』なのです。


池田住宅建設の勾配天井のヒミツ


さて、この池田住宅流勾配天井が従来の勾配天井の作り方と根本的に違う点を簡単に説明してみます。


1)通常は隠れてしまう屋根下地の『垂木(たるき)』を化粧材として室内に全て見せるようにする。

今までの屋根の垂木のようす
こちらは一般的な屋根の施工中の様子です。斜めに掛かっているのが垂木(たるき)と呼ばれる部材で、巾4.5センチ 高さ6〜7.5センチの材料を使います。

一般的な垂木の間隔は30〜36センチとなっています。通常は下に天井を張って隠してしまうので、垂木の表面はきれいではありません。

sita-ya.gif
池田住宅流勾配天井では垂木を太くして、間隔を大きくしています。変わってこちらが池田住宅建設が採用している化粧垂木(けしょうたるき)を使った方法です。
垂木は全て表面をカンナで仕上げてある化粧材、太さは12センチの角材を使い、垂木同士の間隔は約90センチです。

太い材料を使うのは構造的な意味と、下からの見た目、断熱材越しに上部からビスを打つ時に絶対に垂木を外さないように、という意味もあります。



2)垂木の上に張る『野地板(のじいた)』に合板を張るところを、無垢のフローリング材を化粧面を下にして張り、室内側は全て見せる。

野地板構造用合板張り
通常は垂木を施工後、屋根の下地の野地板として構造用合板を張ります。
この上に防水用のアスファルトシートを敷き、屋根仕上をして終了です。

しかしこのままでは室内からは合板の表面が見える事になります。それを解決するために下のような工夫を行っています。

sita-ya.gif
化粧垂木の上から化粧野地板を張っていきます。フローリングに使っている無垢材と同じ物です下から見るとこんな感じ。あっという間に勾配天井が出来上がりました!

まずは化粧垂木の上にフローリングに使っているのと同じ徳島産の那賀川杉無垢材の30ミリ厚の板を下から順に張り上げていきます。上棟時の応援の大工さんがいるときに一緒に施工できてしまうのはとても効率的です。

張りあがると右の写真の様になります。垂木も野地板も室内の化粧材として、かなり存在感がありますし、太い垂木がリズミカルに並んでいる様はいかにも木の家という感じがします。



こうすることで、屋根の下地工事と勾配天井の仕上工事が同時にでき、今まで足場を使ったりと大変だった天井張りの工事を一工程減らしながら家全体を勾配天井にすることに成功しました。

逃げやごまかしの効かない工法だからこそ、人間くさい、素朴な味わいが感じられるんでしょうか・・・でも職人さんは大変です。しかし、通常は隠れてしまう構造材を表に出すということは、梁や柱の接合部などの職人さんの腕が試される部分が全て見えてくるということです。

『逃げ』や余裕のない、ごまかしの効かない大変な作業になります。大工さんや職人さんにとっては重大な問題なんです。

ですが、ここまで来たら乗り掛けた船とばかりに、職人さん達が一丸となってより効率的に、きれいに、強度を保てる施工方法を試行錯誤し、私たちのワガママに付き合ってくれました。

その努力の甲斐もあり、現在は池田住宅建設の標準仕様として全棟に採用される工法として確立させることができました。
↑逃げやごまかしの効かない工法だからこそ、
人間くさい、素朴な味わいが感じられるんでしょうか・・・
でも職人さんは大変です。


全室勾配天井で工夫しなければいけないこと


さて、晴れて念願の勾配天井の家ができたわけですが、いいことばかりではなく、勾配天井であるが故に工夫しなければならない点もあります。

壁の上部に入っているのがポリカーボネートの複層版『ツインカーボ』です。軽くて割れないのでこういう場所に最適です。
・2階各部屋の間仕切壁を屋根まで立ち上げないと、部屋を分断することができない。

・しかし通常のように壁で立ち上げてしまうと、高さがあるので圧迫感を感じる。


特に小さな部屋では、横の長さより縦の長さが大きくなるため面積以上に狭く感じてしまいます。これでは開放感を確保するための勾配天井が逆効果になってしまいます。

そこで、小屋部分の間仕切りに透明なガラスを使って部屋を仕切ることを考えました。特に2階廊下と寝室や、吹き抜けと各部屋の間仕切りには音やニオイを遮断するためにガラスを入れて見ました。
↑壁の上部に入っているのがポリカーボ
ネートの複層版『ツインカーボ』です。
軽くて割れないのでこういう場所に最適です。

こちらは強化ガラスを使って間仕切った例。でも写真を見てもどこにガラスが入っているのか分からない・・・実際に見ても良く分かりません。それぐらい透明です。
部屋としては区切れるけど、視線は通る。おかげで開放感を残したまま部屋毎の独立を確保することができました。

※飛散や怪我防止のため、割れにくく、万が一割れても粉々になる強化ガラス、もしくは複層構造で遮音、断熱性もあり、軽くて割れないポリカーボネート版(ツインカーボ)のどちらかを使用しています。

↑こちらは強化ガラスを使って間仕切った例。
でも写真を見てもどこにガラスが入っているのか分からない・・・
実際に見ても良く分かりません。それぐらい透明です。


また、照明器具の取り付けや配線など、どうしても制限される部分が出てくるのですが、これもペンダント型壁付け型の照明を使ったりすることで解決しています。


無垢材を使った勾配天井のメリット


こうして開放感と木の家らしさを生み出す池田住宅建設の無垢の木の勾配天井が生まれ、それ以降の家は全てこの方法によって勾配天井仕上げとなったのですが、実は勾配天井のメリットはこれだけでないことを改めて知ることになりました。


1)建物の高さが抑えられる

普通に平らな天井を張る2階建て住宅に比べ、勾配天井の家では建物全体の高さを下げながら、勾配天井によって室内はもっと高い天井、ということが可能です。

『高さが抑えられたら何なんだ?』と思われるかも知れませんが、建物は同じ面積であれば低くすればするほどメリットが生まれてきます。

・熱損失が少ない家になる
※同じ面積の家では、高さが増えるほど家の表面積が大きくなり、外気に触れる面積が増えます。夏はたくさん日を受けるし、冬は逆にたくさん冷やされることになり熱的に不利になります。 また仕上面積が減ることで若干のコストダウンにもなります。
・都市部では高さ制限を受けにくくなる
※敷地に余裕のない市街地では、敷地北側の隣地境界線からの『北側斜線』や前面の道路からの『道路斜線』などの制限がたくさんあり、この制限が家の形を決めるといっても過言ではありません。 この制限は近隣への日照の確保を主な目的としていますから、少しでも高さが低い家ほど制限を受けにくく、空間を自由に使えることになります。


このように簡単にロフトが造れるのも勾配天井のメリットです
2)ロフトや小屋裏の収納が簡単に作れる


全て平天井の家でロフトを造る場合、その部分だけ壁や天井を別に設ける必要があります。小屋裏収納も同じです。

しかし、初めから全て勾配天井になっていれば、極端な話、床だけ造ればそこはロフトです。収納にもなります。

また、ロフトの床荷重を考慮した構造計算をして家を建てる場合には、2階の床面積の半分の大きさまでロフトを取ることができます。
同じ2階建てでもロフトを入れるのと入れないのでは居住面積に大きな違いが出てくるんです。


3)室内に面した木材の面積が倍増する

外断熱の高気密住宅は、冬場は室内が乾燥しやすくなります。
無垢材を使った天井にしておけば、屋根の面積分、無垢材の使用率が上がりますから、木材の吸放湿効果を期待でき、室内環境をより良好な状態に保ってくれます。


無垢材を使った勾配天井での家づくりをお考えの方へ


吹き抜け北側見上げ。転落防止のスチール手すりとスノコ廊下が見える。開放感を確保し、空間を有効に利用できる『無垢の木の勾配天井』
当然、家づくりをお考えの方全てに気に入って頂けるものだとは考えていません。

ただ、『自分達の住みたいと思う家を造りたい』がモットーの私たちとしては、開放感他のメリットより先に『自分達が好きだから』というのが採用の前提になっています。

そして、先ほども書きましたように勾配天井はいいことばかりではありません。
間仕切りの問題にしてもそうですし、構造材を見せることによって梁の上にホコリが溜まったりとか、木がぱきぱき鳴ったりとか、今までの家ではなかったようなことがたくさんあります。

それでも、私たちはこんな家が大好きです。
吹き抜けの真下に寝転んで、無垢の天井を眺めるのが大好きです。
きっと、これこそが木の家の醍醐味なのではないでしょうか?
こんな家を造りたいと言ってくれる方がいる限り、これからも木の家を少しづつ建て続けて行きたいと思います。


施工例CDROM私も勾配天井の木の家を建てたい、と少しでも思って頂いた方、ぜひ皆さんのご意見・ご感想をお聞かせ下さい。

ご意見を頂いた方には、私たちの家づくりが分かる資料として、これまでの施工例を集めたCD-ROMをお送りします。<施工例CD-ROMについて>


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