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ー見栄えと快適、どちらが大切ー

池田


 先日、築21年のかなり立派でおしゃれな住宅にお住まいのお客様から、
メンテナンスとリフォームのご相談をお受けしました。

外から見ても、内装を見ても、うまくデザインされた、とっても素敵なお住まいで、
訪問後しばらくは見とれてしまう程でした。

沢山のお住まいを見せて頂いておりますが、「素晴らしい!」と思える住宅です。

一体どこをリフォームしたいのか? 
と不思議になる程です。

ここから、色んなお話を聞かせて頂きましたが、そのお話にはビックリです。
全てをお伝えすると紙面では無理なので、簡単にまとめます。

要望としては以下です。

 ・町と海を見下ろせ、大きな吹抜けの有る素敵なLDKの内側に、ぐるりと壁・天井をもう1重作る。
 ・2階へ続く吹き抜けに大きなガラスを入れる。
 ・リビング内階段には扉を付ける。

完璧と思える開放感なんですが、暑さと寒さに耐えるのに、加齢による限界が来たという事が、
このリフォームをしたいという気持ちになったきっかけだそうです。

ただ、出来るだけ、今の開放感を利用したいので、断熱力のあるガラスを多用して、
その雰囲気を少しだけでも残したいとのご要望でした。

悩みました・・・

デザインと住み心地を両立させる事は不可能ではありません。
ですが・・・  

ビックリする程のコストと工期が掛かります。

そこで、お客様に全体予算(引越し代2回、仮住まい費用含む)、工期について質問させて頂きました。

工期はクリア出来ますが、ご希望通りの施工のためのご予算が、
お客様が想定されている金額とかけ離れていました。

何社かに相談されているようで、ある程度のご予算については理解されていたようですが、
見えない断熱レベルによるコストUPが、ご理解頂けるようにお話し出来ませんでしたので、
それ以上お話を進める事も無く失礼させて頂きました。

町や海を一望出来る開放感の有るリビングには、ご主人の想いがたっぷり詰まっていて、
若い頃は、1年の半分位は、その眺望を最高と感じる事が出来たようです。

ですが、最近では、一年に2ヶ月も感じられなくなり、その感覚と共に暑さ寒さ(特に寒さが厳しいようでした)に対する不快感が年々増して行ってるようでした。

私達にはお手伝い出来ませんでしたが、最後まで、他社さんから提出されたプランや改修内容について、判断が出来なくて、困っていると言われてました。

大金を投じる理由は、暑さ寒さ対策ですが、その工事で暑さ寒さから、どれだけ開放されるのか?
の保証のようなものが全く無く、どのように判断すれば良いのか? と苦慮されていました。

お気持ちはよく分かります。
私達も断熱リフォームや断熱リノベーションを請け負う時に、お客様に同じように質問されます。

お客様『この工事が終わると、どんな住み心地になるの?』

池田 『室内の温度が安定して、寒過ぎず、暑過ぎずという環境になります。』

お客様『具体的には、冬は室内が何℃ぐらいになるの?』

池田 『設定する暖房温度にもよりますが、通常は18度〜22度の範囲ですね。』

お客様『う〜ん、その温度が暖かいっていうイメージが出来ないわ〜。』

というように、数字が出ても体感しないと、納得出来ないのが普通です。
目と耳で判断出来ない温度って、難しいですね〜。

それにしても、20年以上も家づくりに携わっていると強く感じる事ですが、

お客様に強く反応して頂けるのは、デザインの優れた家です。
そして、デザインを犠牲にした住宅は、誰も反応してもらえません。

ただ、60代以降のお客様は、口を揃えて言われます。

『見た目はもう良いわ、直ぐに飽きちゃうから・・・、
           それより寒くない、暑くない、光熱費の掛からなくて、身体が楽な家が一番よ。』

それでも、やっぱり、見栄え良い家と、断熱性能が高く、住まい易い家を見比べると、
圧倒的に指示されるのは、いつの時代も、見栄えが良く格好の良い家です。

見栄えと快適、皆さんなら、どちらを優先します?


池田


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