大工のトイレ事情
(西村)
一雨毎に寒くなり、朝夕と昼間の気温差が大きいので、
体調を崩さないよう、皆さんも気を付けて下さい。
現場には、新築工事以外はほとんど仮設トイレが有りません。
リフォーム現場等へは、簡易トイレを持って行く事も有りますが、
それ以外は、お客さんのお宅のトイレを借りる事は申し訳無いので、
現場に行く時はまず近くにコンビニが有るか、調べます。
コンビニは、弁当や飲み物を買うのも有りますが、
トイレを確保しておきたいというのも有ります。
それからホームセンター、公衆トイレ（公衆便所って言わなくなりましたね）が
近くに無いかも確認します。
有ったとしても油断は出来ず、コンビニのトイレは先客の確率が高く、
公衆トイレは先客はいない分、紙が無かったり、汚れていたりで、
当たり外れが有りますが、無いよりはましなので、
とにかく現場の近くにトイレが有れば私はどこでも入って行きます。
他の大工さんに「どこでも入るのはやめた方が良いで、特に墓地は止めた方が良い。」って言われます。私も幽霊は怖いので、墓地のトイレを借りる時は小さい声で「おじゃまします、トイレ借ります。」と言ってから入るようにしています。（笑）
先日、２階の履き出し窓に内窓を取り付ける工事が有り、巾が1200�舒麺�り、回り階段から上げられず２階のベランダから取り込むのですが、上げたい場所にテラスの屋根が有り、その屋根を外してから、足場を組み立て、そこから４人で内窓２枚を上げました。
そのためだけに、テラス屋根を外し、足場を組み、障子を上げて、足場をばらし、テラス屋根を戻すという時間にすれば１時間位の作業だったのですが、その日は朝から雨が降ったり止んだりしていました。
その作業をしている間は生憎の雨で、下着までしっかり濡れて寒くなり、トイレに行きたくなりました。
その日はすぐ終わると思ったのと、前にも来た事の有る現場で、近くに墓地が有り、そこにトイレが有るのも知っていたので、簡易トイレを持って行きませんでした。
車の中で暖房をガンガンに掛け、服を乾かしてから、そのトイレに行くと、待合所に傘が１本有り、先客がいるのかなと思ったけど、小さい方だったので、それ程気にせずにトイレに行きましたが、人が誰も居なかったので、どこに居るのかな？ と思いつつ、用を足しました。
雨に濡れ寒かったからか、歩いて戻る途中、じんわりお腹が痛くなって来てしまい、又、戻って来るよりは・・・と途中で引き返し、待合所まで戻ると、まだ傘が有って、さっきは小さい方だったので、個室はノックしませんでしたが、もしかしたら先客が要るのかな？ と思い、取り合えずドアをノックしました。
返事が無かったので、誰も居なくて良かった〜と思いながら個室に入りました。
少し落ち着いて、座りながら、さっきの傘の事が気になり出し「持ち主はどこ行ったんやろ？
前の日から置き忘れたのかな？ でも、傘からの滴で地面が濡れてたしな〜」等と色々考えていました。
すると、だんだん怖くなって来て、要らん事までも考えるようになり、考えんようにしようと思っても、余計に考えて、ホラー映画とかで有るような事まで考えてしまうようになりました。
場所が場所です。早よ出ようと用意をしていると、少し離れた所から何かが近づいて来る気配が有りました。
（次号につづく）
