〜ﾘﾌｫｰﾑ出来ないの？〜
今月は来年4月適用の“改正建築基準法”の話をさせて頂きます。
詳しくは【改正建築基準法】で検索して頂くと国土交通省の
ウェブサイトに詳しく書かれています。ご覧になって下さい。
ただし、誰が読んでも結局のところどうなの？
っていう位、理解し難い内容です。（笑）
簡単に説明すると【建替・新築の場合】
�｜杷�レベルがかなり強化されて、省エネ住宅以外は、更に建てられないようになります。
�△海譴泙任鳩�物の安全基準の考え方が変わり、厳格化されます。
今後、建替や新築をご予定の方々には、省エネ基準クリアが義務になったり、
建物の安全性が強化されないと新築・建替が出来ないので、今までに比べると家のグレードが
かなり上がりますので、悪い話ではありません。
分かり易いような言葉で説明すると、今までも断熱材は必要だったが、それがどの程度の
省エネになるかを計算する必要が無かったのが、来年4月以降は数値化して、
目標をクリアしないと建物の建築が認められない。
安全面では、極端な言い方をすれば、木造2階建ての住宅については、感と経験に頼って
何の計算もせずに建てても問題が無かったのですが・・・今後は安全を担保するための
構造計算をして、基準値をクリアしないと建てられないとなりました。
上記2点はやっと・・・本当にやっと改正されたか？ というのが私の感覚です。
2005年の耐震偽装問題、姉歯元一級建築士事件で、鉄筋コンクリートの建物が傾いたり、
ひび割れしたりというニュースは、既に遠い昔の話になってしまっていますが、実はあれが
社会問題になっていた時、既に、今回改正の安全性強化のために木造住宅2階建てにも、
構造計算を義務化するという話が出ていました。
でも大手等、力の有る方々の抵抗により時期尚早と、見送りになった経緯が有るんですよね。
それだけに、本当にやっとの事なんですよ。但し、申請書類がより複雑化しますので、
やはり申請関係費用は上昇してしまいますが、建物の基準レベルが相当上がる事を考えると
これは仕方が無いと思います。 ・・・とここまでは新築・建替の話ですが、
問題はリフォームなんですよ〜。
来年4月、新しい建築基準法が施行される直前の最近になって、やっと細かい所まで
分かるようになって来たのですが、それでも市役所単位で考え方や見解が違うので、
私達の業界はかなり振り回されています。
リフォームの何が問題なのか？ これも表現を簡素化して分かり易くお伝えしたいので、
正式な文章とはかなり異なりますので、その辺りは突っ込まないようにして下さいね。（笑）
弊社が、以前所有していた築80年超えの平屋のモデルハウスをご存じの方は分かり易いと
思えるのですが、あのモデルハウスのような工事は今後2度と出来なくなるって考えて頂くと
良いかもしれません。
今回の改正ではリフォームでも建築確認申請が必要になるケースが有るんです。
どんな場合かと言うと・・・
・屋根の葺き替え（下地材の同時張替え⇒これは通常は同時に行います）
・外壁材の張替え（下地材を同時に入れ替えるとアウト！⇒通常下地も必ず補修します）
・階段の掛け替え
・床の張替え （下地材を解体するとアウト！⇒これも古い家は必ず入れ替えます）
・増築、カーポート、サンルームなどもアウト！
・リビングと和室の間仕切りを撤去してリビングを広げる⇒ これもアウト！
まだまだ有りますが、上記をざっと見ただけでこれは相当大きな問題ですよ。
システムキッチン、トイレ、洗面等、設備の入れ替え、クロスの張替えなどの模様替えは、
建築確認義務からは省かれていますが、許可無しに出来る事は極端に少なくなります。
仮にどうしても建築確認申請をしないとダメなリフォーム、リノベーション工事を
望まれた場合で、過去の建築確認申請済証や完了検査済証が無い建物の場合には、
さらに制限が掛かります。
具体的な事を説明すると、専門用語の連発でとても見る気になれなくなりますので
ここでは言いませんが、とにかく現在の常識から考えると、現実的は有りません。
果たして、この改正が本当に実務レベルで可能になるのか・・・？
我々のような建築業者は、これから、新法に振り回されそうな状態なんですよ。
これだけの大改正、実際にすぐに浸透する事は難しいと思いますし、全て許可申請が必要と
なると、その許可申請を受理して精査する方々も今の受け入れ態勢では到底無理だろうし、
工事が申請通りに完了したのか？ 誰かがそれをチェックしないと、どれだけ厳しくしても
無駄となり、又、正直者がバカを見る・・・ という状態に逆戻りしてしまいます。
今後来年4月までに、より細かい情報が出て来るとは思いますが、
緩和方向には動かないと予想されています。
最後に一つお願いが有ります。同業者として恥ずかしいのですが、来年4月1日、
改正建築基準法の施行前に工事を受注もしくは着工出来るという触れ込みで強烈な営業、
荒稼ぎをしている輩が私達業界に存在します。
この言葉に踊らされて契約を急かされる場合には、打ち合わせが納得出来るまで完了し、
見積金額の確定、そして着工日の確定（来年の3月31日まで）が確実に確保される契約
である事が原則です。
ですが、上記が確保されていたとしても、3月末日までに着工した場合、必ず今回の改正には
該当しないという公的な発表はされていないので、注意して下さい。
来年の4月からは、工事前に大変な作業が増えてしまうので、今から頭が痛いです。
又、新しい情報が入りましたら、お伝えさせて頂きますね。
