自然素材にこだわり過ぎる事の怖さ
最近、『健康住宅』という言葉をよく見かけます。
床には無垢材を使います、壁は○○塗り、合板は使いません、自然素材の○から作ったのりを使います・・・
私たちも床や天井材に杉やパインなどの無垢材を使っていますので、『池田さんのところも健康住宅ですか?』と聞かれることもあります。そういう時には『違います!』と必ずお答えします。
なぜなら、『健康住宅』『家が人を健康にする』などという言葉はまやかしだと思っているからです。
こんな話がありました。
家づくり勉強会やガイドブックをお配りしていることもあって、私たちのところには様々なご相談が入ります。
他社で建築中なのだが工事をちゃんとやってるか不安だ、実際に住んでいるんですがこれって欠陥なんでしょうか?などなど。
家づくりで悩まれている方の駆け込み寺になっています。
ある日、当社のすぐ近くで家を建てられた方からご相談のお電話を頂きました。
米のりや漆喰などの自然素材を使われていることで話題の会社さんで建てられた方です。
『家の床が、どこを歩いても、ギィギィと床鳴りするんです』というお話でした。
詳しく聞いてみると、床には広葉樹系の無垢材が使われていたんですが、下地の間隔が大きすぎて床材がしなり、それが擦れて音が鳴っているようです。
これを解決するには、もっと厚い床材を貼りなおすか、下地をやりかえるしかありません。
どちらも大きな手間とコストが掛かる作業です。
この方は早速建築業者に連絡し、補修を求めました。が、状況を確認した業者の口からはとんでもない補修案が提案されました。
『床を張り替えるのは技術的に難しいです。この上から合板フローリングを張らせて下さい』
一体、何のための自然素材なんだ!と叫びたくなりました。
シックハウス