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都会だったら、あり得ない!

私の思い描いている暮らし方は、“終の棲家”のなかでも「ステップ1」というか、長くなった老後生活の“序章”部分なのかな?と前回書きました。退職を迎え、様々な選択をして、そんな生活に入っていく方が周りに増えてきました。

私の両親は現在、瀬戸内の小さな島に暮らしています。祖母の介護が動機となって、父の故郷へ二人して移っていきました。介護が目的で、積極的にリタイア後を楽しもうという理由ではありませんでしたが、色々なしがらみが有るのもこの世代ですから…。

生まれ故郷に帰った父は、幼馴染や親戚が多くイキイキしていましたが、デパート大好きな母は、娘の目から見ると少し“寂しそう”でした。

私なら「夫についていけるかな…?」。都会育ちの夫に「田舎が無くて良かった〜」と内心思ったりしました。実は、私、“田舎”が好きではありませんでした

最近でこそ田舎でも鍵をかけますが、私が子供の頃は、ご近所皆さん開けっ放しで、夏休みなどに帰省すると、知らんおっちゃん、おばちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんが、人なつこそうな顔で茶の間にいたりして、それが何とも落ち着かなくてイヤでした。

最初の頃は、よく電話をかけてきた母でしたが、誘ってくれる友達も出来、少しずつ馴染んでいる様子が伝わってホッとしかけた頃、父が心臓のバイパス手術を受けました。

田舎暮らしで「何が心配?」って、やはり病気じゃないでしょうか?
父の場合も、家から車で1時間半の国立病院に入院しました。子供達が交代で手術時などは行きましたが、入院生活はやはり母の肩に掛かってきます。

幸い祖母は近くの施設でショートステイが出来ましたが、母は運転免許を持っていません。バスと電車を乗り継いで、2時間以上かかって病院通いをしなければなりませんでした。

そんな時、ご近所の方が「今日は私が乗せてってあげる」「明日は、近くに用事があるから帰りに拾ってあげる」と次々に申し出てくれたそうです。

都会だったら、あり得ない!」と思います。知らない土地での父の手術、心細い母をご近所で支えてくれました。「田舎もいいかな〜?」と素直に思えました。

もちろん「いざという時に助け合える」―「深い人間関係が求められる」ですから、面倒臭い事もたくさんあるはずですが、日頃は楽な「挨拶程度の関係」が、少し不安で寂しい気がしてくるのも「いざ」の可能性が若い時よりも増えてくるからなんでしょうね…。

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