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住宅ジャーナル2007年5月号に地熱住宅が紹介されました 

住宅ジャーナル
日本建材新聞社の住宅ジャーナル2007年5月号に地熱住宅が紹介されました。
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雪をかぶったチセ
-日本伝統民家とアイヌ「チセ」の恩恵を現代住宅に- 「地熱住宅」

住宅全体を床下地中と一体化
地熱を住居内に伝導する仕組みを再現


屋根から地下5mまでの垂直温度実測データアイヌの「チセ」とは微小連続加熱で地熱と一体化

 アイヌの伝統民家「チセ」のある北海道上川地方は、日本の最低温度記録(マイナス41℃)を持つ。
その極寒の地でアイヌの人々は屋根・壁ともに笹葺きの土間床住宅「チセ」において、伝統の住まい方を守り暮らしていた。
その結果として、図らずも地中熱を住居内に取り込む仕組みが根付いていた。

エコホームズの主任研究者であった宇佐美智和子さんは、以前からチセの仕組みについて10年以上の研究を続けていた。


簡単に「チセ」の仕組みを列挙する。

   ・1〜2mの途切れない雪断熱(約10kgのグラスウールに匹敵)
   ・風除室(外気緩衝空間。風を直接居室に入れない工夫)
   ・輻射熱により体感温度は約20℃(室内温度は約5℃)
   ・微小連続加熱(消えない程度に火を絶やさず燃やしつづけることで、夏に暖められた土間床が秋から冷え込むことを抑える。これにより夏の熱が地下5mに届く冬には、大蓄熱層を形成し、土間床の温度を支え、「暖房空間」としていた)

 次項図1が分かりやすい。

微小連続加熱を行っている雪断熱のチセでは、
「床造り(基礎断熱にあたる)完成」から、外気温が下がっても土間表面温度は2℃程度に安定し始める。すると正月一週間「加熱なし」でも土間表面・土間マイナス30cmのいずれも温度が低下していない。

 微小連続加熱とはつまり、地下5mの温度をそのまま住居内に伝えるための媒介役となっている。
そして床造りによる基礎断熱と、雪による断熱、外気を住居内に入れない風除室などの効果が組み合わさり、極寒の地でもアイヌの人々は暮すことができたのだと宇佐美さんは考えた。

そしてこのチセの仕組みを現代住宅に反映されたのが「地熱住宅」である。

「チセ」の現代版が「地熱住宅」
地熱を取り込み逃がさない仕組み

加熱チセと無加熱チセの温度経過
地熱を住宅内に伝導するための基本となる概念は大きく2つある。

 崔惑は」太陽熱エネルギーが地中に蓄えているもの。
夏の「高温・日射」熱が地中に蓄えられ、それが伝わり建物下の地中も夏の終わり頃には温度が上がっている。

 地下5mから床下まで蓄えられた太陽熱エネルギーを、冬になっても逃がさない工夫を行うのが地熱を伝導する設計。その工夫により、住宅内温度が床下地中温度をそのまま受ける構造となっている。
この構造を成立させるためには、外気の影響を受けず、また逆に住宅内の熱の放散を防ぐ断熱を行う。
イメージ的には、住宅全体の温熱環境を地中熱と一体化させるものだ。


ヾ霑坦庵杷の強化
 地上が冬の時に地下5mは夏の熱がようやく届き、年間で最高温度の役18℃(南関東以西)になる。
これは床下地中を地下5mの環境条件に近づければ、夏季の床下地中温度(18℃)を冬季に持ち越すことができる、ということを示す。
そのために床下地中を冷え込ませないために、基礎外断熱強化し、基礎特殊断熱を加えている。

◆崕鼎傭紊料(2重サッシ+断熱雨戸)」
 基礎断熱住宅の場合、室温・床下温度・床下地中温度は相互に影響を与え合う。
よって夏からの床下地中温度を冷え込ませないために室温を下げないことが重要となる。
つまり、暖房エネルギーを低減するための性能強化ではなく、夏からのささやかな地中熱(15度程度)を伝え「寒くはない生活」を目指すもの。そのため、開口部にも配慮を行い断熱強化を行う。

・断熱雨戸の使用(窓からの熱損失を半減)
・「重ね着の窓」を使用(内窓を開ければ1枚ガラスに変身)
 同社では、太陽の恵みを確実に受け止めるには、温室効果の大きい1枚ガラス窓に変化できる2重サッシ窓が望ましいと考える。
また夏の夜間は冷房温度より外気温が低いため、放熱量が大きい性能の低い窓が適している。

初秋から日射熱を床下に放出(床下システムによる蓄熱)
 住宅の上方に集まっている温かい空気を吸い、床下に放出し温度低下を抑える。

4つの住文化を組み合わせた「地熱住宅」

 以上のチセの理論による地熱を住宅内に伝える仕組みと、同社が培ってきた住宅建築とを組み合わせ生まれたのが「地熱住宅」である。

 この住宅にはチセだけでなく、様々な住文化の智恵を組み込んでいる。
『日本伝統民家(通気) + 「チセ」(地熱) + 北欧住宅(断熱) + パッシブ』を兼ね備えた住宅となっているのだ。

地熱や太陽熱の自然エネルギーを利用する設計と、住宅を高耐久化する設計、さらに人が快適に暮らせる設計等、様々な観点からの住宅設計が組み込んだ住宅である。
 以上4つの住宅文化の特徴を組み合わせ、さらに日本の気候風土に合わせた現代版の住宅仕様に仕上げている。

A 日本伝統民家からは、住宅を長持ちさせるための木部の通気性の確保
B 「チセ」からは地下5mの夏の熱(冬の冷熱)を冬(夏)まで持ち越すこと、またC 北欧住宅からは断熱、さらにD パッシブ住宅における日射や夜間低温の受け止め等を、主に取り入れている。
 そしてその住宅設計は、4つの住宅文化を組み合わせることで、太陽と大地の自然力の相乗効果を生む設計に昇華させたものとなっている。
 この地熱住宅全体をとらえた設計ポイントは3つに絞ることができる。

地熱住宅」構造図

ヾ袷干庵杷 + 「重ね着の窓(2重サッシ+断熱雨戸)」(屋根・壁・基礎の全てを躯体の外側から断熱材を貼る)。
¬敝瑤鯢じ込めない(床下空気が断熱材の内側の壁空洞を通り、小屋裏に抜ける通路を確保)。
D無こ諒(床下と1階の通気を図る)。

 これらを具現化したうえで、さらに
ぞ臆悉湿を行い、ゾ臆捨箋い鮑突用し、秋からの日射熱や冬の暖房熱を床下に蓄熱する「床下システム(16Wファン)」を備えた住宅である。

ヾ袷干庵杷
 伝統民家が長持ちした要因には、「床下換気」における膨大な「水平換気」「垂直換気」があったことが挙がる。
そこで地熱住宅では、「垂直換気」を行うため、「基礎・壁・屋根すべてを外断熱」し、床下空気や湿気が断熱材の内側の壁空洞を通り、小屋裏に抜ける仕組みを計画した。
また床下1階とが連続通気可能となるよう、通気幅木・通気孔・ガラリをはじめ、多くの通気を工夫している。

↓L敝瑤慮撞曚畔湿
 日本伝統民家の智恵を活かし、いかなる木部も封じ込めず、呼吸・放湿を確保。
たとえばヒノキ4寸角の土台4周を通気に触れるように工夫。
 よって木部を湿気させない上に、さらに防蟻対策で基礎断熱部に3段階の防蟻断熱施工(防蟻断熱材使用・蟻断マット・炭使用など)を行う。

きゾ臆璽轡好謄(夏期は床下除湿・冷気再利用)
 上記の仕組みにより自然気流を確保したうえで、床下にシステムを設置。
床下の空気を汲み上げた量だけ、室内の床面近くに留まっているドライ空気(エアコンによる)が通気幅木から床下に入る。
この冷気が床下で一層冷やされ、垂直換気により住宅の上方から住宅内に放出され再利用される。
つまり、エアコン1台で床下まで家中を除湿できる仕組み。床下で最も大切な土台の下端(=基礎天端)の湿度も効率のよい除湿が行える。(データ取得)

・換気システム(第1種換気 + 第3種換気 + 大量換気 + 自然換気)
 地熱住宅の換気は、日本の気候特性により、夏冬逆転する室内気流に合わせ、冬季の給気は住宅下方から、夏季の給気は住宅上方から室内に放出する。
排気は各室に排気口を設置。
長期不在時には、自然換気が計画的に行えるよう数個の換気口(平常は閉鎖)を併設。
また自然大量換気として夏季/夜間は小屋裏からの排気量を増やす。
全システムの操作をカレンダー機能を組み込んだ操作盤により自由に設定できる。

地熱住宅の消費電力

 同社では、以上の仕様を備えた千葉県の地熱住宅の消費電力を実測している。
 夏季のエアコン消費電力(24時間ドライ運転)は、7月21日〜8月20日まで で314kWh(6318円)、1日約10kWh(約200円)。

居室の温度は25℃〜27℃前後、土間コンクリート表面温度は23℃レベルで安定(冬から持ち越した低温の地中温度のため)。
つまり家中を23℃で床下冷房している形になっている。

 冬期は11月28日よりエアコンによる暖房を始め、12月27日には居間の床置きエアコン(2.8kW)を20℃設定で24時間運転。翌日は18℃に下げ、そのままの温度設定で3月末まで生活を続けることができる。

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