白蟻?!
野球大好き・力じまんの現場監督 井元
先日、10年位前に新築させて頂いた方の、お隣さんから連絡がありました。
10年も前なのに覚えて頂いてたんですね。すごく嬉しかったです。
「バルコニーから雨漏りがしている」との事で、すぐに訪問させて頂いたのですが、漏水してからかなり日が経っているようでした。夕方だったので、後日、漏水検査をすることにしました。
天井のボードを開けてみて、びっくり!
クロスの染みから判断してある程度の被害は想像していたのですが、ここまでとは・・・。
木屑のかたまり、
補強金物がボロボロ、
木屑を取ってみたところ、
梁にポッカリ穴が・・・。
天井のクロスは意外とキレイ?
白蟻に食べられた痕!?
天井ボードの裏側がカビで真っ黒!
食べられたような痕、木屑から判断して白蟻じゃないか!?という事ですぐに白蟻駆除業者に来てもらいました。。
床下を点検したところ蟻道が!!
やはり、白蟻でした・・・。
かなりの期間、漏水していたのでしょう。
しかし、天井のクロスがビニール製だったり、ボードの厚みが厚い場合などは、漏水がわかりにくい場合があって、以前にも、漏水による染み(?)なのか、何かの影(?)なのか判らない事があったのですが、点検すると漏水していたことがありました。
そして、ここからの対処がすごく難しかったのです。被害の大きさからのみ判断すると、梁を交換するなど大掛かりな工事が必要になり、かなりの費用がかかります。
しかし、築年数は30年以上で、家の寿命、その他の外壁、防水などの状態、費用対効果から判断すると「どこまでするのか?」が大きな課題でした・・・。
本当なら白蟻に食べられた梁等の構造材を交換しなければいけないでしょう。
しかし、今回のお宅の場合、幸い(といっては怒られますが・・・。)2階部分はバルコニーで建物が載っていない状態でした。2階に建物が載っていると大きな荷重がかかるため、危険な状態になっていたと思われます・・・。これは大きなポイントになりました。
また、白蟻の種類なのですが、日本で建物に被害を与えると考えられている白蟻は、5〜6種類くらいだそうです。一般的によく知られているのは、ヤマトシロアリとイエシロアリです。ヤマトシロアリとイエシロアリの違いをいくつか上げてみます。
ヤマトシロアリは自分にとって環境が悪くなる(湿気が少ない)と餌場を放棄して環境の良い方へ移動するのに対し、(分散型)
イエシロアリは巣を作り一ヶ所に長く留まります。(集中型)なので、最も建物に被害を与えるとされているのは、集中して梁や柱を食べてしまう、イエシロアリです。白蟻のなかで最も恐ろしいといっても過言ではありません。
白蟻駆除業者さんに、実際のイエシロアリを駆除したときの写真を見せてもらいましたが、凄まじいものでした・・・。今回の場合は、ヤマトシロアリだったのですが、これがイエシロアリだったらと思うとすごく恐ろしかったです・・・。
検討を重ねた結果、これ以上被害が進まないように、バルコニーの防水工事、白蟻駆除工事、塗装工事のみさせて頂くことになりました。
いずれにしろ、白蟻は湿気を大変好みますから、外壁の漏水や床下の湿気には、注意しましょう!