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下請制度

野球大好き・力じまんの現場監督 井元
井元

 先日、新聞にこんな記事が載っていました。



政府が主導する東京電力福島第一原発周辺の除染で、現場作業員に税金から支払われる「特殊勤務手当」が本人に支給されていない事例が相次いでいることが分かった。元請のゼネコンに続いて下請けがいくつも連なる多重下請構造の中で「中抜き」されていると見られ、環境省は実態調査に乗り出す。(中略)

 通常の給料とは別に現場の線量や原発からの距離に応じて1日3,300 円〜1万円の「特殊勤務手当」を作業員に支払う契約を元請けの11社・1組合と結び、手当て分を含めて除染事業の予算を計上している。ところが、ゼネコン6社が受注した1億円以上の選考除染の6件全てで、作業員に手当てが適正に支給されていない事例が見つかった。(中略)

作業員に手当ての事を知らせず、日当5千円で働かせている会社も有ると言う。


ひどい話ですね。実際に現場で作業する作業員の「危険手当」を丸々ピンハネしていたとは・・・。

もう少し詳しく調べてみたのですが、ある情報の作業員の話では、「本当に許せません。私は日当1万3千円で働いていますが、他の企業の仲間から話を聞くと、元請は作業員1 人あたり1日5万円を1 次下請けに払っているというのです。つまり、1 次、2次、3次と仕事が流れていくうちに、3万円以上もピンハネされていたんですよ。」

この話が本当なら、新聞記事の日当5千円で働いている事と総合すると「5万円→5千円」という事になります。1次下請けが5万円という事は元請であるゼネコンは発注者からそれ以上で受注しているので、10倍以上の金額差があるという事になります。

同じ仕事をする対価としての金額なのに、訳の分からない金額差になっていますね・・・。建築業法では、下請け制度自体は認められていますが「一括下請けの禁止」いわゆる「まる投げ」は禁止されています。

でも、今回の事って、どう考えても「まる投げ」じゃないのでしょうか?
何次下請けまであるのかは分かりませんが、間にいる業者って何か仕事をしているの? 
とすごく疑問ですね・・・。

そもそも、国が元請に発注する作業員の日当が5万円以上ってどうなのでしょう? 
民間業者の職人さんの日当がこの不景気の中、良くて2万円位と考えると、初めから「ピンハネ」「まる投」を暗に認めている金額になっているように思えてなりません。

全ての会社や職人さんが元請になるのが難しい事から考えると、下請け制度自体は止むを得ないと思うのですが、「まる投げ」にならないよう、大いに改善の余地が有るのではないかと・・・。

 今回の事で環境省は実態調査に乗り出すとしていますが、少なくとも作業員に「危険手当」が適正に支給されることを願っています。


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