~土地の境界トラブル~
みなさん、こんにちは! 池田です。
灼熱地獄のような毎日だった今年の夏ですが、ようやく終わりが見えてきたのでしょうか?
朝夕が少しだけ過ごし易くなりました。
今回は土地の境界のお話です。相続や建替えの時によく有るのが、不明瞭な土地の境界です。
ブロックが隣家との境界というケースは非常に多いのですが、ブロックの内側なのか?外側なのか?
それとも中心なのか? 明確に分かっておられる方は、かなり少ないのが現状です。
「う~ん、多分あのブロックは数十年前に両親が造ったので、こちらの物だと思うんですが・・・」
というような、お話はよく有ります。その記憶が正しければ、何も問題は無いんですが、
現実には、境界に関する記憶はかなり曖昧で、仮に記憶が正解でも、
隣人がそのように理解しておられない場合には、話がこじれてしまいます。
普通に生活して、利用していて、自分の土地だと思い込んでいたとしても、
ある日突然、他人から利用を制限されてしまうケースも有ったりします。
そんな場合でも、通常の使用ではそんなに気にしなくても、生活する上では問題が無いんです。
しかし、その問題が無い事が【実は大きな問題】なのです。
いざ建替えや相続、売却などが発生すると、境界の確定(つまり隣地所有者の承諾)が必要になるケースが多いんです。特に相続となると、当事者が既に居ないわけですがから、残された配偶者やその子供達だけで隣人と話し合いを進めて行かなくてはいけません。
しかし、境界の確定と聞くだけで何だか身構えてしまうので、スムーズには行かないケースが多くて、変な記憶が有ると、それだけで揉めてしまうケースもあるんです。
ほとんどの方は、予備知識が無いので、何かの問題が発生してから対応する事になるんですが、そんな場合に、「誰に相談して、何からするのか?」 についてお伝えしたいと思います。
境界の確定=実測(測量と立ち合いと承諾)となるのですが、これらを行うのが【土地家屋調査士】という資格を持つ方々です。
一般的に測量士と呼ばれる事が多いのですが、測量だけが仕事ではなく、現地を測量してから、役所や隣地の方々に細かい説明や相談をしながら、境界の確定へと導いてくれるのが、土地家屋調査士の仕事です。
土地家屋調査士に境界の確定を依頼すると、一般的には次のような流れで進みます。
①対象となる土地の周辺状況や現況を知るため、法務局でその土地の権利や登記状況を確認します。
②対象となる土地の現状を確認(目視や簡易仮測量)して登記されている状況との照合を行います。
③①と②の調査状況、そして今後の流れを説明してもらいます。
④道路との境界を確定させる為、役所へ書類を提出し、隣地との境界を確定する為に隣人への説明をして、話しがある程度まとまれば、日時を決めて現地にて境界の立ち合いを行います。
⑤全てが確認できれば、お互い印鑑証明と実印を用意して、書類を完成させます。
この一連の流れを経、境界の確定が終了れば、各境界ポイントには目印の境界鋲や境界プレート、境界杭などが設置されると共に法務局にその確定した図面が登記される事になります。
面倒な作業ですが、ほとんどの作業は土地家屋調査士が処理してくれます。但し、土地の大きさに応じ
て費用は掛かりますので、作業前に必ず見積もりをもらってから作業依頼して下さいね。
尚、土地家屋調査士に依頼したからと言って、必ずしも境界が確定されるとは限りません。
隣人が境界ラインを認めてくれなければ、境界の確定は出来ないのです。
そんな場合には、筆界特定制度という制度もありますし、場合によっては境界紛争として裁判という方法に頼らなくてはいけない事もありますので、土地家屋調査士に任せたから安心とはなりません。
※筆界特定制度 筆界特定制度とは,土地の所有者として登記されている人等の申請に基づいて、筆界特定登記官が、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定する制度です。 |
細かく説明をしようと思えば思う程、難しい言葉を並べてしまう事になりますが、もし、境界が曖昧、若しくは不安な要素が有る方は、何か事が起きる前に取り組んで置かれると、いざと言う時にはあたふたせずに対処できます。
相続が発生した時等は、残された方々に大きなストレスになったり隣人とのトラブルになる事が非常に
多いのが境界ですので、負の遺産になる可能性が有るのなら、事前に処理する事を強くお薦め致します。
とにかく、建替えや土地の売却、相続時において、ご相談頂く中で非常に多いのがこの境界問題なので、少し触れさせて頂きました。
しかし、そうは言っても
“土地家屋調査士に知り合いが居ない”
“実際にどうすれば良いのか分からないし、不安”
という方が多いと思います。
そんな場合には、私、池田までいつでもご連絡頂ければ、
土地家屋調査士のご紹介から紛争の相談までお話を聞かせて頂きますので、ご安心ください。
自分の権利は他人は守ってくれませんので、自己防衛は必要です。
おかしいな? と思ったら、
とりあえず電話からでも、動いてみる事ですよ!
