想定外!?

最近のユニットバスは壁や浴槽に断熱材が貼ってあるのが主流で、浴槽が魔法瓶みたいな構造になって
いて、お湯が冷めにくくなっている物も有り、タイル張りの浴室とは温かさが全く違います。
浴室での事故、“ヒートショック対策”には効果の高い工事と言えます。
順調に既存浴室の解体が終わり、新しいユニットバスの納まりをチェックしていると「えっ!?」と思わず声が出てしまうような事が・・・。
ユニットバスの寸法は1240×1640なのに、据え付ける所の有効寸法が1210×1690・・・。
「3cm入らない!? 何故・・・?」
図面上は心々寸法(柱の中心から隣の柱の中心までの寸法)、1365×1820なので、既存のタイルやモルタルを剥がせば絶対に納まる寸法のはずです。
が、以前リフォームした業者が、浴槽が納まらなかったからなのか? 寸法を間違えたのか? なんと幅105ミリあるべき柱を50ミリに切ってしまって何とか浴槽を納めていたようです。
そのため、元々、有効寸法が小さくなってしまってたんですね・・・。
それも、外壁部分ですごく重要な柱を・・・。
事前の調査では分からず、タイルを剥がしてみて初めて分かるという状況でした。
想定外の事って結構有るのですが、これにはびっくりでした・・・。
タイル張りの浴室って、白蟻の被害や漏水により柱が腐ってたり、必ずと言って良いほど弱くなっている部分が有ります。今回のような事も有り「家の中で一番弱い部分」と言っても過言では有りません。
ユニットバス工事というのは「綺麗で温かいお風呂にする。」以外に「弱い部分を直す。」という目的があり、もしかすれば、こちらの方が重要な事かも分かりませんね。
T様邸は細くなった柱を出来る限り補強し、浴室の有効寸法を広げるため、耐力壁でない洗面所側の壁を薄くして何とか対応することが出来ました。
今回のことは「想定外の中の想定外!?」という感じでしょうか?
やっぱり、リフォームって難しいですね。
左の写真の柱部分を拡大した右写真、筋目を入れてノミで削ったようです。