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“少しうれしいお話を・・・”

横山横山


30年以上前、私が結婚する時に、その支度の一つとして母が日傘を用意してくれました。その日傘は、麻の生地で傘の縁の部分に中国のスワトウ刺繍がされている物です。

最近の日傘は、UV加工などが施され、本来の意味の日射遮蔽としてはどんどん優れた物が出てきていますので、私の傘は日除けとしてはあまり優れていないかもしれません。

でも、生成り色の麻にスワトウ刺繍がレースになって透けていて、見た目がとても涼しげで、少々汗をかい
ていても優雅な気分にしてくれます。

昔はよく見かけたスワトウの傘ですが、最近ではめったに見かける事がなくなりました。当時もそれなりに高価だったと思うのですが、婚礼支度という事で、奮発してくれたんだと思います。

普段は安い物を使い、ちょっとしたお出かけだけに大事に使っていたのですが、さすがに経年劣化か、昨年傘の縁で生地と骨を結ぶ糸が切れてしまいました。

とりあえず、自分で繕って、その年は何とか使えました。ですが、この春、日傘を差したら、繕った場所だけでなくその隣の骨の部分も外れていますし、自分で繕ったところは、生地が少し裂けています。

元来、裁縫が得意では有りませんし、傘はそれぞれの骨にうまい具合にバランスを取って生地を貼ってあるようで、私が繕ったところは、バランスが悪くなって変に負担が掛かったんじゃないかと思います。

そう言えば、以前はあちこちに傘の修理屋さんが有りましたが、今ではめっきり見かけなくなりました。私自身、傘の修理なんて小学生の時にしてもらった経験がある位で、傘は修理して使う物ではなく、新しく買い直す物になっています。

インターネットで調べたら、まだ有るには有るようですが、近くには有りません。同じく修理方法を詳しく説明しているページを見つけたので、もう一度やってみるかと・・・。

でも、何せ、一度失敗して傷を広げているし・・・もう二度と買えないし・・・と尻込みしていたのですが、
傘をよくよく見ると、薄くなったタグにメーカーの名前が“ムーンバット”とあります。

ホームページを見てみると、傘の修理をしてくれるようです。でも何せ、30年以上前の物ですから、相手にされないんじゃない、とここでもしばし尻込み。

勇気を出して電話をしてみると、「直せるかどうか分かりませんが、一度見せてください。」「ここ数年、お
母さんがが使っていた昔の日傘など、何十年も前の日傘の修理のご相談をよく頂くんです。」との事・・・。

すぐに送ったところ、修理の担当の方から、「長く大切に使って頂き有難うございます。修理の者、皆、感激してとても喜んでいます。今回は、無償で修理させて頂きます。又、これからもいつでも修理させて頂きます。」と信じられないお電話を頂きました。

その2週間後、私の日傘が戻ってきました。今年はまだ、積極的に外出できる状態では無かったのと、雨が多かったので、あまり出番は有りませんでしたが、又、長く大切に使っていきたいです。そしてもし壊れたら、又修理をお願いしようと思っています。

日本のメーカーってすごいと改めて思いました。

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