「高気密・高断熱の住宅の暮らし方についてのご質問」
皆様 こんにちは!
あっ~と言う間にお正月が終わり、年明けより激務に追われている池田です。
しかし、年明けより暖かい過ごし易い日が続いていると思ったら、すごい寒波がやって来ましたね。
私達の周りでは雪が積もる事は有りませんでしたが、TVで報道される各地の雪情報には、驚かされました。 寒いのは苦手です・・・。
今月も断熱の話です。
寒くなると途端に、ご相談やご質問が増えるんですが、その内容はよく似ています。
お客様:「断熱リフォーム」や「高断熱、高気密住宅に建替える」とエアコンを点けっ放しにするって、
聞きましたが、本当ですか?
池田 :はい、その通りです。
冬のエアコンONの時期は人によって違いますが、寒いと感じ出した頃
(通常は11月後半から12月初め頃)から、4月の初め頃までです。
夏は梅雨頃から、9月末あたりまでが一般的です。
お客様:電気代が、かなり高くなるのでは?
池田 :夏に比べて冬の方が、電気代は確かに高くなりますが、
それでも一般的な住宅に比べると、負担になるような金額ではありません。
一例ですが、1月は年末年始で、皆さん在宅される事が多いですし、寒いので、
電気代はピークになりますが、30坪~40坪の断熱住宅の場合、
オール電化住宅のデータですとおよそ1万円~1万5000円位です。
但しエアコンの暖房設定温度は常に19℃位にされています。
もちろんエアコンは寝ている深夜も、誰もいない日中も、帰省している最中も
点いたままの状態です。最近はほとんどの住宅で太陽光発電を行いますので、
売電すると実際の負担額は更に安くなります。プラスになられる方もおられます。
お客様:ちょっと、信じにくい話ですね? (初めはほとんどの方が同じように言われます。)
真冬に19℃の温度で暖房しても暖かく感じますか? 寒くないですか?
池田 :寒くありません! 私達はOB様のお宅に頻繁に訪問させて頂きますが、
今の寒い時期にご訪問させて頂くと、玄関を開けた途端に『暑い』と感じてしまいます。
実際には室内は20度~23度ぐらいになっているのですが、それでも現場仕事のために、
ヒートテックのズボン下と長袖の下着を着ている私には、暑く感じてしまいます。
19℃の温度設定で寒くなるのは、一般住宅で気密、断熱が不足しているからです。
よくテレビのコマーシャルや雑誌等で、『夏涼しくて、冬暖かい断熱住宅』なんて話を
目にしたりしますが、厳密には、この宣伝は正しくありません。
何もしなければ、『冬とても寒く、夏は地獄のように暑い住宅』となります。(笑)
高気密、高断熱住宅は外気の影響を受け難いように、造られています。
つまり、外が冷たくても、暑くても、室内の温度はその影響をまともに受ける事が無いのです。
しかし、前述した通り『外気の影響を受け難い』のであって『受けない』のでは有りません。
そのため、無暖房、無冷房では、外気の影響が時間をかけて室内に届きます。
困った事に一旦室内に届いた冷熱や暑い熱は、
今度は放熱し難い住宅に造られているために、
冷房や暖房で暖めたり、冷やしたりするのに、電気代が割高になってしまうのです。
冷房や暖房を点けっ放しにする理由は、建物内部の温度を安定させるためです。
それも体に負担になるような温度では、意味が有りません。
何事も程々が一番 という言葉も有りますよね?
19℃の温度設定でエアコンを動かしても、朝陽が室内に差し込む頃になると、
エアコンはほとんど作動せずに、微風運転に切り替ります。つまり夜の冷え込みから、
建物内部を守っていると考えて頂くと、丁度良いのかもわかりませんね。
参考ですが、夏のエアコン温度は28度位をお奨めしておりますが、
OB様によっては、29度とか30度という冷房温度に設定している方もおられます。
お客様:先程、帰省中もエアコンを点けっ放しと言われていましたが、
旅行で家をしばらく空けている時も、点けたままですか? 火事等大丈夫でしょうか?
池田 :はい、その通りです。
但し、季節を跨ぐ程長期の場合等は、エアコンは切って頂く方が良いのですが、
間違っても、換気扇の電気だけは、切らないようにしてください。
お客様:ご説明で、ある程度理解出来るのですが、暮らした事が無いのでイメージが出来ません。
私は冷え性なので夏、エアコンを点けたままにすると、足先が冷たくなります。
冬もエアコンを点けたままにすると、顔だけがのぼせたように赤くなり、
足先は更に冷えますので、エアコンは苦手なんですが、私のようなタイプには、
高気密、高断熱の地熱住宅は合わないと考えた方が良いのでしょうか?
池田 :お気持ち、よく理解出来ます。
私も男の癖に冷え性です。そのため、夏でも靴下と長ズボンは必須です。(笑)
ただ、○○様の場合は高気密、高断熱が最もマッチしていると思います。
理由は以下です。
○○様のエアコンでの冷房、暖房に対する不快感は、
一般住宅の場合に感じる感覚なんです。
冬、エアコンで暖房すると、天井付近に暖かい空気が上昇気流で溜まっていきますが、
足元の冷気はそのままです。これが不快に感じる理由です。
この現象は気密と断熱が不足しているので、
熱が建物から逃げ続けているために起こります。
なので、一般住宅の場合、床暖房を入れながらエアコンを動かすのが、
最も快適に過ごせ、体感的にはかなり気持ち良く感じます。
(但し、ランニングコスト上昇で、継続利用をする方が少ないようです。)
私達が建てている高気密、高断熱の地熱住宅は、床、壁、天井の温度が
ほとんど変わりません。その温度差は0.5度~1度位です。
これは断熱、気密を強化した恩恵なのです。
室内の床、壁、天井の温度が同じ位に安定すると、
冬に暖房を利用しても、足元が冷たくなる事も無く、顔だけが火照るような事も無くなります。
床も天井も同じ温度と考えると、ご理解して頂けると思います。
夏も同じ事が言えます。室内の温度が床も天井付近も同じ温度なので、
足元が冷え過ぎるなんて事は有りません。
それに夏のエアコンの設定温度は28度をお奨めしておりますので、
掃除機を掛けたりして動くと、少し汗ばむ程度の室温ですから、
身体の負担という温度ではありません。
何度も申し上げますが、夏冬、エアコンの常時利用をお奨めする理由は室内温度の安定です。
『夏は暑くは無いが、涼しくは無い。冬は寒くは無いが、暖かくは無い。』
これ位が、丁度良いバランスと思って頂けると良いかもしれません。
とこのようなご質問が日々入ってきます。
毎回同じように回答していますが、理由を説明したくて、ウズウズしている私の回答が、
ついつい長文になっておりますので、ご質問された方は若干引き気味かもしれません。(泣)
実際の回答はこの3倍位の量ですので、読まれる方も大変だと思います
申し訳無いですが、私の説明能力ではこれ以上短く出来そうにございません。
皆様 お許しください。 (笑)
