〜続10 年経過後の太陽光の利用法〜
分かり易くするために、私の実家の電力使用量を参考にお話し致します。
まずは、現在の関西電力との契約、
はぴeタイムRの場合の時間帯別の電気の単価表(図1)です。
契約単価は24円、余剰電力買取型、発電開始2019/12/13、パワコン容量9.5kwです。
平日と休日で別の単価が設定されていますが、今回は平日で考えましょう。
太陽光発電の発電時間は夏と冬では大きく差が出ますが、
ここでは分かり易くするために、平日の朝のリビングタイム(7;00〜10:00)
デイタイム(10:00〜17:00)の10時間は太陽光が発電し、
自宅の電気を賄い、余った電気のみを関西電力に買い取って貰っていると考えます。
そして、リビングタイム(17:00〜23:00)とナイトタイム(23:00〜翌7:00)は
太陽光が発電していない時間なので、関西電力から電気を購入していると考えて下さい。
続いて、母の月別の時間帯の電気使用量です。(図2)
次は太陽光発電による売電容量と売電価格です。(図3)
現在、売電価格と売電容量から計算すると、
5 月は1491kwh×24 円(税込)=35,784 円(税込)です。
これが10 年経過後には、1491kwh×8 円(税込)=11,928 円(税込)
と激減するわけです。
実家は最初の買取単価24 円なので、8 円と比べても、
既に期間満了されている方々に比べると、減少率は、かなり少ないのですが、
それでも激減です。
これが40 円代の単価の方だとすると、1/5 以下になるので、
私の実家の数値に当てはめると、減少金額は47,000 円位となるので、
“蓄電池”という発想が出るのは納得出来ます。
で、お待ちかねの蓄電池の話に入りますが・・・
(図1、2)を確認して頂くと、蓄電池を利用した場合に、
ナイトタイムで利用する電気代が、全てゼロになったと仮定してみます
ナイトタイムの一番利用料が多い月 1 月
使用量 391kwh
利用料 5,943 円/ 月
ナイトタイムの一番利用料が少ない月 5 月
使用量 170kwh
利用料 2,584 円/ 月
私の実家のデータが1 年未満のため、年間トータルが出せませんが、
1 月と5 月の使用料金を足して2 で割ることで、1 年間の月平均を求めると、
(5,943 円+2,584 円)÷2=4263.5 円
これを月単価として1 年分にすると
4263.5 円×12=51,162 円 となります。
年間約5 万円が節約出来るって事です。
・・・が、この計算方法は初年度なので年間の消費電力はかなり高めのはず。
(初年度は建物内部に滞留する水分が多くエアコンの稼働率が高い)
更に、年間の深夜電力利用料も高い数値寄りで計算していますので、
こちらも実際にはもう少し減額される事を考えると、
年間5 万円は切って来ると想定されそうです。
ここまでの計算から、年間5 万円の節約で、10 年で50 万、20 年で100 万円の節約が、
出来る可能性が有るという事が分かります。
・・・が 、
設置する蓄電池の容量にもよりますが、
蓄電池の価格100 万〜 200 万が相場と言われる事を考えると、
どう考えても、元が取れるという事は無さそうです。
蓄電池を検討されるのなら、
VtoH(Vehicle ビークルto home ホーム)が私個人的にはお勧めです。
〔VtoH:電気自動車(EV)や、プラグインハイブリッドカー(PHV)等の
自動車が貯めた電力を、家庭用の電力にも使えるようにする技術やシステム。]
理由は、家庭用蓄電池は相変わらず高額ですが、
電気自動車に搭載された蓄電池は車の価格から想像する限り割安に感じるからです。
今やどこの家庭も車2 台は珍しくありませんし、
買い物等のチョイ乗り用の車のバッテリーに、
日中の太陽光で発電した余剰電力を“蓄電”し、夜になったら車から住宅へ“逆送”し、
その電力で夜間の電力を賄う、という流れの方が節約効果は高いと思えてしまいます。
既に電気自動車のバッテリー容量は日産のリーフで62kwh の時代です。
そんな時代を迎えているのに、
家庭用の蓄電池(主流は6kwh 〜 8kwh らしい)の容量を考えると、
いくら災害時に使えると考えても、お勧めする気にはなれないのが現状です。
あくまで、私の考え方なので、蓄電池を推進する方々から言わせると、
お叱りを受けそうですが、どうも納得し難い感じがしています。
ご検討されている方の何かの参考になればと思い、書いてみましたが、
もっともっと蓄電池が安くなれば、値打が出てくるんじゃないか?
というのが私の考えです。
