自動化の煽り。
このところよく話題に上る池田住宅のトイレ。
業者さんの協力もあって上位グレードのモデルです。
ドアを開けて中に入ると、便器のフタがサッと開き、
消音用の音が流れます。
ちなみに現在の設定は管弦楽組曲第3番第2曲(バッハ)。よくいうG線上のアリア。
他に、ノクターン(ショパン)とか、愛の挨拶(エルガー)、『春の海』の琴の調べ、
森の中では鳥のさえずり。蝉の響きは爽やかな初夏を、
荒々しい波しぶきはまさに岸壁に佇んでいるかのようです。
ただ消音用であるのならば、
音のボリュームはもう少し大きくできても良いのかなという気がします。
小鳥のピーチク、パーチクではどうにもならないことだってある。
そして、すべての作業が終わり立ち上がると自動洗浄で水が流れます。
みんな冗談で、
『時々トイレから出て、うわっ!今流したかなっ?って不安になるわ!』
とか
『このトイレに入ってると、自分の家でトイレの水流すの忘れそう。』
と言います。
僕自身、自分が出てすぐ次の人が入ったりすると、不安になることがあります。
ある朝、何気なくトイレのドアを開け、それを感知した便器がいつものようにフタを開ける。
いつもどおりに便器に腰掛けました。
ただいつもと何かが違います。気配を感じます。嫌な予感。
視界の隅にその嫌な影を薄っすらと捉えつつ、
便器のコントロールパネルを確認、やはり自動洗浄が”切”になっていました。
取り急ぎ手動で流し、すぐに設定を元に戻しました。