嫁入前
「今、池田さんが生んで大事に育ててくれた娘の“嫁入”を待つ気分やわ。」
と、もうすぐ完成お引渡しをするS様がおっしゃいました。
確かに、お引渡し前は担当現場監督だけでなく皆が、
「どこかにキズは無いか?」
「どこかに不備は無いか?」 と家中なめるように見てチェックします。
無垢材を使って、あらわし仕上にする事の多い私共の建物は、
工事期間中どんなに気を使って養生を重ねても、小さなキズは必ず見つかります。
そのキズを綺麗に補修して、再度見回し、「うん、大丈夫!」
とお引渡しをする時は、大きな満足感と一抹の寂しさがあります。
昨日までの工事期間中は、自由に出入りしていた建物が、
施主さんにお引渡しをした今日からは、
私達が自由に出入りできない空間です。
確かに、これって娘を嫁に出すのと似ているかも・・・ 経験はありませんが・・・(笑)
先日も、2年間モデルハウスとして大勢の方に見ていただいた、白金の地熱住宅をお引渡しをする直前、もう一度、丁寧にクリーニングをした時、
「やっぱり手をかけてやったら、“べっぴんさん”やわ!」と監督が満足気に帰ってきました。
やはり “花嫁の父” ?
そして、嫁に出した娘が、婚家で大事にしていただいて、ご家族と一体にになって馴染んでいるのを見ると、感慨無量です。
「Sさん、もうすぐお嫁に行きますからね、大事にしてやってくださいね!よろしくお願いいたします。」