10.見当 ／1日目
← 9.現地着
バス降りて、ブランデンブルクくぐって、フィルハーモニーまで歩く。
到着、入口閉まっていて、通りかかった職員らしき方に、
『すみません、私はどこでチケットを得ることができますか？』
『ｘ△・・▲・・・・dre・・、thre・・○'cl・o・・・ｋ・・』
『はい、わかりました、ありがとうございます。』
たぶん３時からなんだろう、と、スーツケース立てて、
２０分程待つことに、“上”の続き読む。
待ってるらしい人が増えてきたので、たぶんそうらしい。
5分ほど前に扉が開き、中に入って並ぶ。
順番が来、
『あのすみません、
私はインターネットで予約しました。
私は今夜の分のチケットを引き取りたいです。』
『はい、わかりました。予約番号わかりますか？』
プリントアウトするの忘れてて、
パソコン起動したらわかるけれど・・・
『・・・やっぱり、必要ですよね？』
『出来れば・・・』
結局、決済したクレジットカード提示して、チケット受け取る。
『ありがとうございます。』
『どういたしまして。はい、次の方・・・』
ロビー脇にスーツケース立てて腰賭け、券面をもう1回確認、
えーっと、今日の８時が・・・んっ？
なんか視線を感じ、顔上げて、瞬きすると、
ぷつっぷつっと微妙な時間差で何度か目が合う、なんやろう？
あちらはそのまま行き過ぎます、と思ったら、やっぱりこっち向いて、
『すみません、あなたは韓国人ですか？』
『いいえ、わたしは日本人です。』
『ああ、そうですか？もしかして、そうかなあ、と思ったんですが、
違ったみたいですね。』
『はい、そうですね、ごめんなさい。』
『いいえぇー、こちらこそ。
でも見た目だとわたしたちよく似てますもんね？』
『そうそう、私もそう思います、そういうことってよくありますよね。』
（ほんまそう思う、だってこの顔、この配列、
これだって一般的にどうなんでしょう、怪しいもんです。
というより、そういう一般性ってないですね。誰が見ても日本人、というようなん。
・・・だいたい誰が見ても、の、その“誰”って誰？・・・・というようなことをグルグル考えてると、)
『あなたは、この後、今夜の演奏会を聞かれるのですか？』
『はい、私はインターネットで予約してたんです。』
『そうなんですか。・・・』
『・・・はい、そうなんです。』
『・・・』
『あなたは今、到着したんですか？』
（スーツケース、チラッと見、）
『はい、そうです。』
『・・・明日、シュターツオパーでパルジファルあるでしょ？
それで今日、ベルリンに着いたんです。』
『・・・へー、そうなんですかぁ・・・』
『・・・』
『・・・』
・・・えっ？そういうのんちゃうの？興味なかった？
『・・・あーっ』
『・・・』
『・・・えーっと・・そう、じゃあ、楽しんでください。よい一日でありますように。』
『はい、ありがとう、あなたにとっても。』
→ 11.予行
